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公務員転職には【国税専門官】をおすすめする理由

こんにちは。元国税専門官ブロガーのひばりと言います。

この記事では、公務員に転職したいと考えている方に向けて、【国税専門官】という仕事をおすすめする理由を解説しています。

また、私が国税専門官を退職した理由も気になる方がいらっしゃるかと思いますので、別記事にて書いてます。合わせてご覧ください。

  • 公務員に転職したい、またはなりたい
  • 具体的にどのような職種を目指せばいいか分からない
  • 国税専門官の魅力を知りたい

このような悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてください。

目次

国税専門官とは?

まずは、国税専門官という仕事がどのような仕事で、公務員という職種の中でどのような立ち位置にあるのかという点について簡潔に解説していこうと思います。

国税専門官は国家公務員の専門職

ひと口に公務員試験と言っても、その種類はさまざまです。

ここではすべての職種について説明しませんが、大きいくくりとしては、まず「国家公務員「地方公務員」に分けられます。

地方公務員で一番わかりやすいのはやはり市役所職員でしょうか。他に身近な職業としては警察官や消防士も、各都道府県や市町村に所属する地方公務員です。

一方で、国税専門官とは、いわゆる「税務署職員」のことで、全国に11ある国税局や各市町村を管轄する税務署で働く職員を指します。

税務署は全国に524あり、一見、警察官のような地方公務員のように思われますが、各国税局は国の省庁である国税庁直属の下部組織ですので、国税専門官は「国家公務員」という扱いになっています。

そして、国家公務員は「総合職」「一般職」「専門職」に分かれ、インフラの管理や行政の運営ではなく、税金に特化して業務を行うため、国税専門官はその名のとおり「専門職」となります。

他に国家公務員の専門職としては「労働基準監督官」や「皇宮護衛官」などがあります。

基本的には税務署職員として働く

国税専門官の仕事は、国税の専門官ですので、「国税」に関する業務を行います。

「住民税」「自動車税」地方税であるため、市役所や県庁が管轄しているのに対して、「法人税」「所得税」「消費税」などの国税を管轄するのが国税専門官の仕事です。

基本的には全国11ある国税局のいずれかに所属し、その国税局が管轄する税務署にて勤務することとなります。

専門とする税の種類と仕事の種類が分かれている

国税専門官は「国税」に関する仕事に従事するわけですが、一人一人専門とする税の種類が割り振られ、その税金を専門とする各部門で働くことになります。

具体的には、法人税、所得税、相続・贈与税などの担当する税金の種類が決められ、それぞれ「法人課税部門」「個人課税部門」「資産課税部門」に分かれています。

希望があれば途中で変更することもできるようですが、基本的には最初に決められた担当税目は定年まで変わることはありません。

この税目は入庁直後の研修が終わって決められますが、この時点で希望することはできません。完全にランダムで割り振られます。つまりは運しだいです。

ちなみに筆者は「個人課税部門」に配属され、主に会社などの法人ではなく、個人事業主などの個人レベルで事業を営む納税者の税金に関する仕事に従事していました。

国税査察官・国税調査官・国税徴収官

最初に税目が割り振られるという話をしましたが、その担当部門の中でもさらにどういった仕事をするのかという役割があります。

その役割とは見出しの通り「国税査察官」「国税調査官」「国税徴収官」の3つです。

国税査察官」は、国税局の査察部に所属する職員を指します。税務署レベルでは対応できない大型で悪質な案件を起訴にもっていくのが仕事です。ですので、査察官に関してはかなり人員は限られます。

一番多いのは「国税調査官」で、税務署での相談業務や税務調査業務に従事します。

そして、最後に「国税徴収官」ですが、文字通り滞納者から税金を徴収する仕事です。

徴収官に関してはその仕事柄、どんな税目であれ徴収するという行為は変わらないため、部門内での担当はあるようですが、基本的には先ほど説明したような税目の割り振りはありません。

もし国税専門官試験に合格し、実際に従事するようになれば、おおむねこのような業務を行う職業と思ってください。

国税専門官が転職におすすめな理由4選

私が、公務員なら国税専門官を推す理由を解説します。

もちろん、自分が実際に従事した経験に基づいて説明するので、単なるポジショントークじゃないかと思われるかもしれませんが、できるだけ客観的に見て感じたメリットを説明していきますのでご安心ください。

なお、「安定している」などの全公務員に共通する項目についてはあえてここでは言及しません。

国税専門官が転職におすすめな理由
  • 専門職なのに未経験OK・研修制度も充実
  • 採用人数が多く、辞退者も多いため合格しやすい
  • つぶしがきく・税理士を目指せる
  • 他の公務員より給料が高い

① 専門職なのに未経験OK・研修制度も充実

国税専門官という仕事は納税者の「お金」に関する仕事に従事するという責任ある仕事です。

しかし考えてもみてください。一般的な企業であれば、専門職に転職するとなれば、当然かのようにその仕事の経験や専門知識が求められます。

ましてや「お金」に関する重要な職務に関することであればなおさらでしょう。

しかし、当たり前ですが公務員という性質上、新卒や転職組などは一切関係なく、等しく試験に合格しさえすれば職に就くことができるのです。

社会人経験があるからといって経験が求められるわけではありません。

また、研修制度もかなり充実しているので、専門的な知識はそこで習得することができます。

給料をもらいながら勉強ができるなんてすごくないですか?しかも研修期間に入れば仕事はせずに勉強のみに打ち込めます。

公務員に限らず、民間企業でもこのような待遇は中々あるものじゃないですよね。

② 採用人数が多く、辞退者も多いため合格しやすい

上位40%に入ればいい!

これは、2024年度の採用状況を示したものです。

申込者数1次試験受験者数1試験合格者数2次試験受験者数最終合格者数
12,1618,5555,9104,8263,358

申込者数に対して実際の受験者数はガクンと減っているのが分かります。

さらに一次試験ではその半分以上が合格し、二次試験受験者数に対する最終合格者数は約7割です。

最終合格者数を実際の受験者数で割ると、約40%の合格率となるのが分かるかと思います。

こうして見てみると、意外に合格できそうな気がしませんか?

私もこのような情報を知る前は、公務員試験に関してなんとなく難しいというイメージを持っていましたが、実際に倍率を調べてみると、頑張ればいけそうな気がしてやる気が出たのを覚えています。

合格しても必ずしも採用されるわけじゃない?

公務員試験を受験する人の中で最も多いのが、高校や大学を卒業したばかりの新卒組です。

新卒で公務員を志望する場合、本命の職種のみを受験するというのは極めてまれです。なぜなら、試験科目がほとんど重複しているため、公務員試験に向けて学んだ知識をほとんどの職種に生かせるからです。

そして、転勤もなく自分が生まれ育った場所で働けるため、本命の職種に多いのが、市役所や県庁などの地方公務員です。

公務員試験は少し特殊で、このような複数受験生が多いため、採用人数の3倍ほどの合格者を出します。

つまりは合格したからといってイコール採用となるわけではなく、最終的には各官庁がその合格者名簿の中から選別し、採用したい人間に声をかけるという感じです。

ただし、国税専門官に限っては、合格イコール採用と考えてもらって問題ないと思います。

その理由は以下のとおりです。

国税専門官は人気がないからこそ狙い目!

先ほど書いたように、国税専門官は国民の「お金」に直接携わるという性質上、大変な仕事で転勤も頻繁にあります。

しかし、まだ社会に出たこともなく、右も左もわからない若い人たちが考えているのは、とにかくラクで安定した仕事に就きたいということです。

そもそも「公務員」という職種を選んでいる時点で少なからずそのような考えを持っている人は多いでしょう。

もちろん中には「国や地元のために仕事をしたい!」と崇高なこころざしを持った人もいるでしょうが、やはりほとんどの人は「ラク」で「安定」した職業に就きたいと本音の部分では思うものです。

もちろん国税専門官も公務員ですので「安定」は手に入るかもしれませんが、決して「ラク」な仕事ではありません。

納税者の正確な所得を計算して正しい税金を納めてもらうというのは、税法に精通している必要がありますし、根気も必要です。

確定申告期になれば大勢の納税者が税務署に押し寄せてその対応に追われます。

もちろんやりがいはありますが、必ずしも「ラク」な仕事ではないため、多くの受験生から敬遠される職種でもあるのです。

だからこそ、多くの合格者が他の官庁に流れてしまうため、絶対ではないですが、ほとんどの場合、合格イコール採用という図式が成り立つのです。

③ つぶしがきく・税理士を目指せる

基本的にはメリットが多い公務員ですが、反面、デメリットとしてよく言われているのが、「つぶしがきかない」こと。

公務員から民間へ転職を考えた時、公務員という仕事が特殊な業種であるため、公務員時代に培った技能や知識を生かしづらいようです。

ただし、国税専門官は業務こそ特殊であるものの、そこで得られた知識は民間でも大いに役立ちます。

特に「税務」「会計」の知識が身についているため、民間企業に欠かすことのできない「経理業務」への転職も比較的容易にできるでしょう。

さらには税理士事務所に関しては「元国税職員」というのは即戦力となりうるため、人材として確保したいところが多いはずです。

勉強を続けていけば「税理士」という士業に就くのも夢ではありません。

勤務し続けることで税理士資格が手に入る

ご存じの方も多いと思いますが、国税職員は勤務年数を重ねることで、難関試験である「税理士試験」が免除され、自動的に税理士になることができます。

具体的には、勤務年数10年で税法科目が免除され、勤務年数23年で会計科目が免除となります。

仮に25歳で転職したとすれば、48歳で税理士として開業することが可能です。

また、試験組と違って、国税の内情を知る税理士であれば税務調査に有利になるため、クライアントを獲得する一つの材料にもなります。

普通であれば65歳で定年を迎え、その後は年金と貯金に頼るしかなくなってしまうところ、一度税理士となれば一生働き続けることもできます。

もちろん働かないという選択もできますが、いざとなったら働ける資格を持っているというのはかなり心強いはずです。

④ 他の公務員より給料が高い

最後のポイントですが、一般職に比べると専門職はその専門性が加味されるため、給料が高いです。

いわゆるキャリア官僚と呼ばれる「国家総合職」と比べてもやや国税専門官の方が給料が高いです。

これは、官僚の給料がキャリアの中盤以降に上がってくるためで、若手である20~30代では国税専門官の給料の方が高くなる傾向にあるためです。

ただ、やはり転職組が働きながら総合職を目指すというのはあまり現実的ではないので、国税専門官を目指した方がコスパもいいしかなり現実的です。

筆者は30歳で退職しましたが、退職時の年収は諸々の手当てと合わせて約570万円程でした。

一般的な民間企業と比べると、30歳にして500万円を超えているというのはかなり良い方ではないかと思います。

基本給だけでなく公務員は手当も充実しているため、民間企業の同年代よりも給料が高くなる傾向にあるのではないでしょうか。

国税専門官になるための具体的ステップ

ここまで読んでくれた人は、かなり国税専門官という仕事の魅力がイメージできたのではないでしょうか。

では、国税専門官になるためには具体的にどのようなことをしたらいいのかということを簡潔に説明します。

STEP
予備校に申し込む

まず最初のステップとして、予備校に申し込みましょう。

市販の教材もかなり充実しているため、独学で合格できなくもないですが、やはり勉強の環境を充実させるという点では予備校に申し込んだ方が合格可能性が一気に高くなります。

予備校に申し込めば試験に関する情報も容易に手に入りやすいので、まずは予備校に問い合わせてみることから始めてみてください。

STEP
5月の筆記試験に向けて勉強を開始する

一次試験である筆記試験は5月に行われます。

高校で学習する内容と重複する部分があるとはいえ、配点の多い科目はほとんどが初めて学習する分野となるため、最低でも半年は勉強時間が欲しいところ。

私の場合は前年の9月頃から始めたため、約7か月間の期間がありましたが、これ以上短くしていれば合格は難しかったかもしれません。

STEP
6月に2次試験開始(面接試験)

5月の筆記試験が終わってしばらくすると合否判定が届きます。

総合職などの試験は面接にも力を入れる必要がありますが、国税専門官試験ではそこまで力を入れる必要がないと思われます。

もちろん全く対策しなくていいわけではありませんが、まずは筆記試験を突破することが第一優先です。

ちなみに私はほとんど面接対策はしていませんが、A~Eまでの判定のうちC判定でした。まあ、良くも悪くもないというところでしょうか。

対策をすればもう少し上の判定がもらえるかと思います。

STEP
8~12月採用面接

先述したとおり、二次試験に合格しても「採用」というわけではないので、最終的には各国税局の最終面接を受けなければなりません。

これは自分から希望する国税局に電話をかけるか、逆に国税局の方からぜひ面接を受けてほしいと電話がかかってくるかのどちらかです。

私は第一希望の国税局に関しては自分から電話をかけましたが採用通知は来ず、半ばあきらめていた矢先に他の国税局から電話がかかってきて面接を受け、そちらの国税局で採用となりました。

国税専門官の面接を受け、採用となっても、他の官庁への内定が決まって辞退する人が一定数いるため、12月というかなり遅い時期になっても国税局から電話がかかってくる場合があります。

国税専門官に向いている人ってどんな人?

国税専門官という仕事はかなり特殊な仕事であるため、向き不向きは確実にあると思っています。

私が実際に従事して感じた、この仕事が向いている人の特徴を挙げていきます。

自分に当てはまるかどうか、参考にしてみてください。

勉強に対する意欲がある

税務職員の主な仕事は、税法に基づいて納税者に適正かつ公平な課税を行うことです。

当たり前ですが、税法に関する知識の習得は欠かせません。

そのため、もともと勉強嫌いな人は正直お話にならないでしょう。

ただ「公務員は安定でラクだから」というイメージで、試験だけ突破すればイージーライフが待っていると思ってる人がいれば心を改めてください。

ただ、勉強を楽しめる人にとっては最高の環境が容易されています。

入庁して最初の3か月は税務大学校にて研修が行われ、税法に関する基礎的な知識を習得することができます。

ただし、ここで勉強することはあくまで税法に関することなので、実務に関しては実際に現場に出てから身に着けていくこととなります。

さらに、3年後には専科研修といって約半年間の研修が儲けられており、さらに深い知識について学習します。

それを楽しみにしている職員もかなり多いです。優秀な成績をおさめれば給料にも反映されるため、まさに勉強が好きな人にとっては贅沢な環境といえます。

納得いくまで追及することが好き

身の回りの出来事を曖昧に終わらせず、「なぜこうなるのか?」「この違和感の正体は何か?」と常に追及するのが好きだったり得意だったりすると、仕事の面ではかなり有利です。

というのも、査察官にしろ調査官にしろ徴収官にしろ、納税者と接してみてその申告額が適正かどうか見抜く力が必要だからです。

例えば、

毎月請求書を発行しているのに7月だけ抜けているのは何故か?
都合が悪い書類を破棄したのではないか?
請求書があるのに銀行口座に振り込みがないのは何故か?
なぜこの売上が申告額に計上されていないのか?

など、あらゆることに疑問を持ち、それを徹底的に追及し、解決していく過程にこの仕事の醍醐味があります。

まあ、このくらいからいいか、などとあらゆる物ごとを適当に流してばかりじゃ面白くありません。

せっかくなら納税者がごまかしている不審点について徹底的に暴き、正直者がバカを見ない社会の実現に貢献しようとする姿勢が大切です。

効率を追求するのが好き

どのような仕事も効率を求める際にはシステムの活用が必要不可欠です。

税務署には国税局が独自に開発したあらゆる便利なシステムがそろっています。

それらのシステムを使って、効率的に不審な納税者を選別したり、納税者から預かってきた資料の数字をあっという間に計算できます。

私はエクセルでどれだけ効率よく仕事ができるかを追求するのが好きだったので、こういうシステムがあったらいいなと常に考えながら仕事をしていました。

何をしたいのかという一文とエクセルというワードで検索すれば、すでに先人たちがあらゆる計算式を示してくれているので簡単に作りたいシステムを作ることができていました。

作ったシステムが思い通りに動いてくれた嬉しいものです。

そうやってどんどん仕事を改善していく過程を楽しめる人こそ、どのような仕事でも上手くやっていける気がします。

まとめ

公務員に転職するのはそこまでハードルが高いものではありません。

今までの職歴が多くて履歴書がガタガタになっていたとしても大丈夫です。

実際に私自身が公務員になる前は転職を繰り返していましたから。

それでも試験に合格しさえすれば職歴なんて関係ないのです。

この記事でお伝えしたことをまとめます。

本記事のまとめ
  • 国税専門官は国家公務員の専門職で、税務署で働く人
  • 採用人数も多く辞退者も多いから合格しやすい!
  • 試験の約半年~1年くらい前から勉強を始めるのがおすすめ
  • 勉強が好きだったり好奇心旺盛な人に向いてる職業

少しでも興味が湧いたのであれば、ぜひ一度、予備校の説明を受けるところから始めてみてください。

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